【詐欺ニュースまとめ 10/6】仙台の60代、SNS投資で現金3300万円 フィリピンのPOGO拠点で244人拘束、押収スマホは約3000台
10月5日夜から6日にかけて報じられた詐欺関連ニュースから12件。仙台ではSNS投資で現金3300万円、長野と埼玉ではニセ警察や保険局かたりで被害。海外ではフィリピンの拠点で244人が拘束された。
1. 「手元に残る利益は約80パーセント」 仙台の60代男性、飲食店で3回に分けて現金3300万円
発端はSNSの投資広告。7月上旬、仙台市宮城野区の無職の60代男性は、投資会社の社員を名乗る女と知り合い、グループに招かれた。女は「投資のスペシャリスト」と自称し、利益は約80パーセントだと持ちかけた。指示でダウンロードしたのは、投資を模したアプリ。8月5日、近くの飲食店で社員を名乗る男に400万円を手渡した。アプリ上では利益が出ているように見えた。信じた男性は、8月10日から20日にかけ、同じ店で別の男2人に計2600万円を渡す。9月、利益の一部を出金しようとすると「税金がかかる」と言われ、約300万円を指定口座へ送金した。警察官に相談して発覚。現金の手渡しに、出金時の税金名目。典型的な型にはまり、被害は約3300万円に膨らんだ。
2. 資金洗浄の容疑者扱い 上水内郡の50代女性、暗号資産1780万円相当を2回で送金
9月、長野県上水内郡に住む50代の女性のもとに、郵便局員や警察官を名乗る男から電話が入った。警察官役の男は資金洗浄事件の犯人として疑われている、と迫った。さらに「無実を証明するために調べる必要がある」と続け、暗号資産を送るよう指示した。疑いを晴らすため、と信じた女性は2回にわたって送金。合わせて1780万円相当の暗号資産を失った。警察は、警察官が捜査を名目にSNSを使ったりお金を要求したりすることはないと説明している。電話でお金の話が出たら、一人で判断せず家族や警察に相談してほしい、と呼びかけた。郵便局員から警察官へ、役を替えて信用を積み上げる。ニセ警察の定番の流れが、また一人の暗号資産を吸い上げた。
3. 「保険証が使われて睡眠薬が大量に処方されている」 埼玉・寄居の77歳女性、5日間で4240万円
5月22日ごろ、埼玉県寄居町の無職の女性(77)に電話が入った。名乗ったのは「保険局捜査課」や警察官。「保険証が使われて大量の睡眠薬が処方されている」と告げ、「監査するのでお金を振り込んで」と求めた。女性は6月13日から17日にかけて、指定された複数の口座に現金を振り込み、合計4240万円をだまし取られた。寄居署が5日に発表した。電話が最初にかかってから振り込みまで、およそ3週間。その間、奴らは役所と警察を使い分け、不安を育てていったことになる。薬の話は、本人に覚えがないぶん確かめにくい。振り込みの前に、まず家族へ話すこと。それだけで防げた被害だったかもしれない。
4. インドネシアの拠点から2061万円 かけ子を管理か、岡山の43歳を再逮捕 本人は否認
香川県警は6日、岡山市中区の人材派遣業、芝原剛容疑者(43)を組織犯罪処罰法違反の疑いで再逮捕した。容疑は2025年12月5日から8日にかけ、インドネシアを拠点とする特殊詐欺グループの仲間と共謀し、携帯電話会社の社員や警察官を装って滋賀県の50代男性に電話をかけた、というもの。「調査のため指定口座に金を振り込む必要がある」と信じ込ませ、総額2061万8000円を奪ったとの疑いだ。芝原容疑者はグループで、詐欺電話をかけるかけ子の管理を担っていたとみられる。9月8日には、かけ子を勧誘した職業安定法違反の疑いで逮捕されていた。調べに対しては、被害者の名前すら知らないと述べ、容疑を否認しているという。
5. 「兄さん」と呼ぶ37歳の“愛子” 72歳の元大学名誉教授、5カ月後に925万円
約40年、法学を教えてきた72歳の男性が標的になった。相手は37歳の「愛子」と名乗り、男性を「兄さん」と呼んだ。友達として親しくなり、一緒に「勉強」も重ねる。そこから投資話へ進んだという。5カ月後、結末は925万円の被害だった。7月には、「愛子」の求めに応じて、高松市内の銀行の支店から350万円を振り込んでいる。男性は6年前に退職した元大学の名誉教授。法の専門家でも、心を狙われれば防げない。朝日新聞が、被害の当事者への取材をもとに報じた。有料記事で、読める範囲に限りがあり、詳しい経緯までは確認できていない。だが、肩書きで見破れるものではないことだけは、はっきり分かる。
6. ミンダナオ島のPOGO拠点で244人拘束 押収スマホは約3000台、ロマンス詐欺や暗号資産詐欺に使用か
フィリピン南部ミンダナオ島のサンボアンガ・シブガイ州で、違法なオンライン賭博・詐欺拠点(POGO)が一斉に摘発された。10月2日、入国管理局が国家捜査局や軍と連携して踏み込んだのは、シアイ町とアリシア町の拠点。拘束された外国人は計244人で、今年のPOGO摘発では最大規模という。内訳はシアイ町が113人、アリシア町が131人で、大半が中国籍。押収品はモニター78台、携帯端末約3000台、SIMカードなど。当局は、ロマンス詐欺や暗号資産詐欺に使われていた疑いが強いとみる。5日には、押収機器の分析が進んだと発表した。拘束者は強制送還の手続きに入り、人身売買の被害者が含まれていないかも調べられている。摘発の波に押され、拠点は首都圏から地方へ散っている。
7. 凍結された取引所の口座から被害者へ 韓国警察、263億ウォンを1137人に返還
韓国の警察が、暗号資産取引所に凍結されていた特殊詐欺などの被害金を、被害者1137人へ戻した。総額は約263億ウォン(約28億9300万円)。2023年9月からの取り組みで、たどった口座は1050に上る。警察が把握した被害金は約381億ウォンで、取引所に残っていた分だけが返った。残りは、すでに別の場所へ移されていた。たとえば50代の会社員は、送った9500万ウォンのうち2200万ウォンを取り戻した。警察からの返還の連絡まで新手の詐欺かと疑った被害者もいたという。警察は、凍結が解けた後に被害金を勝手に処分した口座名義人130人も調べている。10月1日には改正法が施行され、暗号資産事業者も返還制度の対象になった。送った金が取引所に残っていれば、戻る道がある。
8. 「PayPay」の他人アカウントを買い取った疑い 札幌の33歳を逮捕、詐欺金の送り先に使う目的か
スマホ決済「PayPay」の他人のアカウントを買い取ったとして、警視庁は6日、33歳の男を逮捕した。NHKによると、容疑者は札幌の人物。警視庁は、詐欺で奪った金の振込先として使うつもりだったのではないかとみて、経緯を調べている。報道によれば、買い取ったアカウントを他人に渡して報酬を得ていた疑いがある。この男は、返金を装う詐欺の容疑で、すでに逮捕・起訴されていた。今回は、その再逮捕にあたる。背後には中国人とみられる首謀者の影があるという。詐欺は、かける人間だけでは回らない。金を受ける器が要る。口座に続いてアプリのアカウントまで、闇の売り物になっている。小遣い稼ぎのつもりが、詐欺の歯車になる。
9. ギリシャで暗号資産ネズミ講 「AIが50日で資金を倍に」、1万人超から約900万ドルか、17人逮捕
ギリシャ警察は9月30日、AIの自動取引で資金を50日間で2倍にすると約束し、1万人以上から推定約900万ドルを集めたとされる暗号資産のネズミ講を摘発した。逮捕は首謀者とみられる2人を含む17人で、数人は軍関係者という。組織は「AT Team Greece」というダミー団体を名乗り、各地に実在の支店を置いて、社交イベントや慈善寄付で信用を築いていた。投資はUSDTやUSDCで受け付け、期間中は出金できない仕組み。9月1日には「戦略転換」を理由に出金機能が止まった。警察は現金約33万ドルのほか、スマホ32台などを押収した。予備尋問で、被害者18人が計約6万2690ドルの損失を報告している。地元メディアの報道をBitcoin Newsが伝えた。
10. 「詐欺の被害金を受け取っている」 十日町の70代女性、警察官をかたる電話で約99万円
新潟県十日町市の70代の女性が、警察官をかたる男に現金約99万円をだまし取られた。女性は6日までに十日町署へ届け出ており、署は特殊詐欺の疑いで捜査を進める。電話の口上は「詐欺の被害金を受け取っている」。受け取っているのは被害者のはずだが、疑う側に回されると、人は慌てる。新潟日報によると、女性のスマートフォンには9月に着信があったという。記事の全文は確認できず、分かる範囲はここまでだ。額は大きくない。だが、同じ手口で数千万円を失う被害が各地で続いている。最初の数十万円で気づけるかどうかが、分かれ目になる。
11. 架空の受領書で5790万円 アペックス元総務部長、追起訴の内容を認める 金沢地裁
運送業「アペックス」(金沢市)の元総務部長の被告(61)の公判が6日、金沢地裁であり、被告はリース会社から約5790万円をだまし取ったとする追起訴の内容を認めた。この会社は2023年に経営破綻している。粉飾した決算書で北國銀行から約5億円の融資を受けたとして、詐欺などの罪に問われている人物だ。追起訴の内容は、2019年3月から22年12月の間、実際には届いていない物流用の台車を、届いたことにして書類を偽造。リース会社の職員へ出し、合わせて約5790万円を口座に振り込ませた、とされる。次回公判は12月1日で、被告人質問が予定されている。
12. 60万人分の名簿を押収 偽電話詐欺グループの3人を窃盗未遂容疑で逮捕 福岡・佐賀両県警
福岡、佐賀の両県警は6日、偽電話詐欺グループの3人を窃盗未遂の疑いで逮捕した。西日本新聞が報じた。見出しが伝えるのは、押収された名簿が約60万人分に上ること。標的の候補が、それだけ並んでいたことになる。記事は有料会員限定で、読める範囲に限りがあり、3人の年齢や容疑の詳しい中身までは確認できていない。西日本新聞は同じ日、福岡県八女市の女性が偽電話詐欺で6200万円の被害に遭った件も伝えていた。名簿を握る側と、電話を受ける側。数字の大きさが、手口の組織性を物語る。詳細が判明すれば、新たな事実とともに改めて報じたい。
断言する。奴らが欲しいのは、金より先に“あなたの判断力”だ。
この日の被害は、現金の手渡し、暗号資産、銀行振り込みと、渡す形はバラバラだった。共通するのは、先に不安か期待を植え付け、確かめる時間を奪う手口だ。睡眠薬の処方、マネーロンダリングの疑い、利益80パーセントの約束。入口は違っても、行き着く先は同じ。韓国では凍結された口座から被害金が戻った例もあるが、戻るのは残っていた分だけだ。守る手段はひとつ。お金の話が出たら、その場で決めない。家族に話してから決める。それだけで、奴らの筋書きは崩れる。