【詐欺ニュースまとめ 11/3】22億円グループの金は工藤会に流れたか、伊賀市で暗号資産600万円、石川は特殊詐欺が過去最悪の31億円
3日は、特殊詐欺や副業・融資を装う詐欺など約15件が報じられた。22億円グループの資金が工藤会に渡ったか、との続報が出たほか、伊賀市の600万円分の暗号資産、石川の被害31億円超が目立つ。
1. 「口座売買で逮捕状が出ている」 伊賀市の40代自営業男性、GMOコインのアプリに入金させられ暗号資産600万円
10月上旬、自宅の固定電話が鳴った。相手は日本郵政の職員を名乗り、現金と、郵便法に触れる郵便物があなたの名で出されていた、と告げる。電話は警視庁の警察官を名乗る男に代わり、「口座売買で逮捕状が出ている」。ここから男性は、携帯電話とLINEで連日のやりとりを強いられた。10月25日、口座の動きを調べたいと求められ、GMOコインのアプリに600万円を入金。翌日、指示されたアカウントへ同額分の暗号資産を送った。約束された返金はない。連絡も途切れた。男性が警察に相談したのは10月下旬。三重県伊賀市の40代の自営業男性が受けたのは、郵便局員から警察官へバトンを渡す、典型的なニセ警察詐欺だ。現金ではなく暗号資産に変えさせる手口を、奴らはもう当たり前の道具にしている。
2. ゲーム広告から「60日で360万円」 熊本・多良木署管内、消費者金融の借り入れと口座開設まで強いられる
スマホゲームの合間に流れる広告。それが入口だった。広告をきっかけにLINEのアカウントへ誘導された被害者は、相手が口にしたのは、広告の助言をする仕事、60日で360万円という甘い話だ。副業の話に乗った先に待っていたのは、稼ぎではなく借金だ。消費者金融への借り入れ申し込みと、銀行口座の開設を言われるままにさせられ、金銭をだまし取られた。熊本県警多良木署が2日に発表した。被害額は明らかにされていない。同署は「簡単に稼げる」「もうかる」を強調するSNS上の広告を信用しないよう求め、1人で判断せず家族や警察に相談すること、身近な人への注意喚起も呼びかけている。口座の開設まで指示してくるのは、その口座を別の犯罪に使う狙いがあるからではないか。副業を装う詐欺は、被害者を財布としてだけでなく、道具としても使い倒す。
3. 社長を名乗るメールで経理担当者が980万円を振り込む 長野・飯田市の会社、警察が詐欺で捜査
狙われたのは、会社の経理だった。先月、長野県飯田市内の会社に、社長を名乗る人物からメールが届く。宛先は経理担当者。メールには振り込み先として口座が指定されていた。担当者は指示どおりに980万円を振り込み、その金はだまし取られた。社長本人からの指示ではなかった。警察は詐欺事件として捜査を進めている。2日、NHKや信濃毎日新聞が報じた。報道では特殊詐欺の疑いとされている。社長の名前と肩書きは、社内で最も通りやすい命令書だ。奴らはそこを突く。個人の高齢者だけが標的ではない。会社の財布を預かる人間が、上司の名前ひとつで動かされる。メールの文面が本物らしく見えても、金額の大きい振り込みは別の連絡手段で本人に確かめる。それが抜け道を塞ぐ唯一の手順だ。
4. 個人間融資の掲示板で「実費を預けて」 大分・玖珠町の女性から3万500円、千葉の期間雇用社員の男(46)を逮捕
融資を求める人の足元を見た。1日、大分県警が千葉県東金市に住む期間雇用社員の男(46)を詐欺容疑で捕まえた。玖珠署と県警の組織犯罪対策課の合同捜査だ。容疑は、個人間融資のネット掲示板で融資を希望した玖珠町の30代の女性パート従業員に、債権回収にかかる交通費などの実費を先に預けるよう、うそを告げ、4月7日に指定口座へ3万500円を入金させてだまし取った疑い。女性は同じ日に振り込んだが、男と連絡が取れなくなり、その日のうちに110番した。金額は小さい。だが金に困って掲示板をのぞく人間から、さらに搾り取る手口だ。融資の前に「預けて」と金を求められたら、その時点で詐欺を疑うべきだ。
5. 「あなたに6000万円を援助する」 青森の80代女性、アップルギフトカード21万円分を送らされる
7月下旬、スマホでSNSを見ていた80代の女性は、困窮者にお金を配るという趣旨の投稿を見つけた。LINEでやりとりを始めると、相手は「あなたに6000万円を援助する」と言う。ただし条件があった。受け取りの手数料に、アップルのギフトカード1万5000円分を買ってカードの写真を送れ、と。女性はコンビニで購入し、コードを撮影して送った。すると今度は「エラーで送金できなくなった。修復費用が必要」。8月下旬から10月15日までに3回、合計19万5000円分を追加で送った。最初の分と合わせて計21万円分だ。それでも6000万円は届かず、さらにカードを求められて、女性はようやく詐欺に気づいた。青森警察署が発表した。1度払わせたら、次の理由を用意する。奴らの常套手段だ。
6. 証券会社社員を装い自宅で250万円を受け取る 横浜市の無職の男(56)を逮捕、伊勢崎市では238万円の被害も
群馬県警は2日、SNS型投資詐欺の「受け子」とみられる横浜市泉区の無職の男(56)を詐欺容疑で逮捕した。容疑は仲間と共謀し、9月14日から10月20日にかけて、前橋市の70代女性にSNSで利益330%超が見込めるというでたらめな投資話を送り、証券会社社員を装って自宅を訪れ、現金250万円を受け取った疑いだ。男は容疑を認め、犯罪かもと思いつつ報酬目当てでやったと話しているという。同じ2日、伊勢崎署は、伊勢崎市の40代女性が238万円をだまし取られたと発表した。7月にSNSへ誘導され、自動売買で儲かるという架空の商品を勧められ、クレジットカードで買ったギフトカードを売った現金を、7回にわたり指定口座に振り込んだという。疑いに気づいても、報酬欲しさに足を踏み入れた末路が逮捕だ。
7. 「収納代行のアルバイト」で口座を募る ネットバンキングのパスワードを買い取った疑い、男4人を逮捕
詐欺で奪った金は、必ずどこかの口座を通る。その口座を買い集めていた疑いのある男たちが逮捕された。捕まったのは男4人。犯罪収益移転防止法違反の容疑で、都築建太容疑者(40、東京都・自営業)と丸山純一容疑者(45、神奈川県・会社役員)らが逮捕された。今年2月、SNSのメッセージ機能を使い、名義が他人の口座のインターネットバンキングのパスワードを有償で譲り受けた疑いが持たれている。4人は、収納代行の仕事だと称してSNSで口座の提供者を集めていた。集めた口座は、詐欺で得た金の資金洗浄に使われたとみて、警察は調べを進める。4人の認否は公表されていない。簡単なアルバイトのつもりで口座の情報を渡した人間は、詐欺の道具を差し出したことになる。
8. 変装用の「かつら」やキャッシュカード42枚を公開 島根・出雲署、中国籍の男2人が逮捕された事件の押収品約140点
出雲署が公開した押収品は約140点。現金約72万円、大量のキャッシュカード、そして変装用のかつらがあった。今年に入って出雲市の女性ら4人が、架空料金請求とSNS型ロマンス詐欺の被害に遭い、計約280万円を失った。この件で、大阪市の中国籍の男2人が捕まっている。もともと短髪の容疑者は、金融機関のATMで現金を引き出す際にかつらをかぶり、防犯カメラに映ることを前提に捜査をかく乱しようとしていた。キャッシュカードは42枚。グループがネット経由で口座ごと手に入れていたという。池田将刑事第二課長は、カードを第三者に譲り渡すことも犯罪で、自分の口座を新しく作れなくなる不利益も実際に出ていると話した。島根の特殊詐欺は9月末で12億円超。すでに昨年1年分を上回り、過去最悪だ。
9. 「承諾したのになぜキャンセルするのか」 カニなど海産物の電話勧誘・送り付け、相談は年末に増加
受け取りを拒否した直後、電話が鳴った。「一度は承諾しただろう、送料も含めて賠償を求める」。そう怒鳴ってきたのは、年末セールの名目でカニなどを売りつけてきた男だった。70代の女性は約2万円で海産物を購入した後、福袋を付けるという話を一方的に聞かされ、商品を送らないよう録音まで残していたが、代引きで届いたという。国民生活センターは10月28日、海産物の電話勧誘販売や送り付けの相談が年末に多いとして注意を呼びかけた。「カニカニ詐欺」とも呼ばれる手口だ。相談は2023年度の2875件から2025年度は4377件に増え、12月は545件と年間最多。契約当事者の63.7%は70代以上で、60代と合わせると8割を超える。本人だけでなく、家族や周囲の見守りも要る。
10. 出たのは大分県警の50代職員 国際電話の自動音声から「148万5000円の腕時計を購入」と告げられる
詐欺電話は、警察の中にも届く。かけられたのは、大分県警本部に勤める50代の男性職員だった。クレジットかローンの重要な知らせがある、詳しくは1を押せ、という自動音声。指示どおり1を押すと、男が出た。「東京の店で148万5000円の腕時計を購入されております」。職員が「知らないです」と返すと、男は職員の名前を知っていた。そのうえで、他人があなたの個人情報で新しいカードを作ったのではと不安をあおり、周りの人に聞かれないよう移動を求めた。直後、電話は突然切れた。着信は「+」から始まる国際電話番号だった。警察は、こうした番号からの電話は詐欺を疑ってほしいと呼びかけている。職員は詐欺を疑って録音を始めていた。この一手間が、手口を表に出した。
11. 石川の特殊詐欺、1〜9月は被害31億5000万円で過去最悪 摘発は54件で3倍、認知は270件から351件へ
石川県警のまとめで、特殊詐欺の被害が過去最悪の水準に達した。北國新聞によると、1〜9月の被害額は31億5000万円。認知件数は前の年の同じ時期の270件から351件に増えた。一方で、摘発も大きく伸びている。摘発件数は54件で、約3倍。最多ペースだ。被害が増えるほど、警察の動きも速くなっている。それでも被害の勢いに追いついたとは言えない。減らす側が走り続けても、奴らは新しい手口と新しい電話番号で次々に現れる。件数が351件、1件あたりの平均を単純に割れば1件が900万円近い計算になる。数字は、1件ごとの重みを突きつけてくる。
12. 出金再開に乗じた詐欺に警告 Binance「待ち行列の枠は売らない」「出金を早める」は全部ウソ
ハッキング被害からの復旧に伴い、Binanceは段階的に出金を再開している。その隙を突く詐欺に、同社は2日、セキュリティ勧告で警告した。報じたCRYPTO TIMESによると、犯人は同社を装ってDMやメール、グループチャット、メッセージ付きの少額送金などで接近する。「出金を早める」「優先処理」「補償金を請求できる」「Binanceの金庫に資産を移す」などと誘うという。同社が示した原則は明快だ。自分から口座や資金について連絡することはない。出金の待ち行列の枠を売ることもない。ネットワークや資産のロック解除に手数料を求めない。ウォレットの接続や署名、承認を求めない。パスワードや二段階認証コード、シードフレーズを聞かない。有料の資産回収サービスも出さない。出金が保留中なら、公式アプリで状況を確認する。手数料で早めると言う者は詐欺だ。
13. 宿泊予約システムの流出情報で偽メッセージ 豪州で「予約がキャンセルされる」とWhatsAppからカード情報入力を迫る
届いたメッセージには、本人の氏名も旅行の日程も、正しく書かれていた。オーストラリアで、宿泊施設向けの予約管理システム「RMS Cloud」への不正アクセスにより流出した予約情報が悪用されている。ABC Newsの報道を日本語で伝えたNICHIGO PRESSによると、シドニー在住の男性はブルームの宿泊施設を予約していたところ、WhatsAppで連絡を受けた。リンク先で支払い情報を入力しなければ予約を失うと警告する内容だった。男性は正確な情報に本物かもしれないと考え、クレジットカード情報の一部を入力してしまった。入力画面がタイムアウトしたため手続きは完了せず、その後、送信元が海外の電話番号で、予約番号も実際と違うことに気づいたという。RMS Cloudは2日までに不正な活動を封じ込めたと発表。クレジットカード情報などの決済情報は流出していないとしている。
14. 130万台超のAndroid TV端末が広告詐欺の道具に Googleが運用を妨害、警察庁も協力
買ったテレビ用端末が、最初から犯罪の部品だった。Googleは2日、「XCPE」と呼ばれる130万台超の端末網が広告詐欺などに使われていたとして、その運用を、前の週に妨害に動いたと発表した。製造元のVideostrong Technologyについて、金もうけのため故意に作り込み動かしていたと結論づけ、取引を打ち切った。CNET Japanによると、感染端末の大半はAndroid TV搭載のセットトップボックスだ。遠隔操作のバックドアが仕込まれ、感染した端末へのアクセスは外部の事業者に売られていた。端末は広告詐欺のほか、利用者の同意なく他人の通信を中継するサービスにも使われた。不正ソフトはファームウェアに組み込まれ、アプリを削除しても再起動で復活したという。調査には日本の警察庁も協力した。ただし端末から不正ソフトが取り除かれたわけではない。
15. 【続報】22億円の一部が特定危険指定暴力団「工藤会」に渡っていたか 役所職員を装った詐欺グループ
2日に警視庁が逮捕した特殊詐欺グループのトップら。その続報だ。役所職員を装って高齢者から金をだまし取ったとみられる約22億円の一部が、特定危険指定暴力団「工藤会」に渡っていた可能性があると、TBS NEWS DIGなどが3日に伝えた。逮捕を伝えた各社の報道では、被害者は東京や千葉など4都県の約500人で、総額は約22億円とされていた。詐欺の稼ぎが暴力団の資金源に流れていたなら、これは単なる高齢者狙いの犯罪では収まらない。被害者の財布から吸い上げられた金が、組織の活動を支える燃料になる構図だ。報道は「渡っていたか」の段階で、金の流れの詳細や、どの程度が渡ったかは、現時点で明らかになっていない。捜査の進展で全体像が見えてくるはずだ。
断言する。詐欺の金は、最後に必ず別の犯罪の燃料になる。
22億円の一部が暴力団に渡ったとの報道、口座を買い集める男たち、群馬の受け子、島根の押収品。奴らは被害者の金を集め、運ぶ者を雇い、口座を買い、次の犯行へ回す。1件の被害は1件で終わらない。見知らぬ相手の指示で金を動かさない。それが、その流れを止める最初の一手だ。