【詐欺ニュースまとめ 10/23】所沢の50代男性はSNS投資で3億6000万円、群馬の60代男性は9547万円
23日までに報じられた詐欺は約15件。所沢市の50代男性がSNS投資で約3億6000万円、群馬の60代男性が9547万円を失った。ニセ警察詐欺は富山、飯塚、滋賀などで相次いだ。
1. 「投資をやった方が今後に生きる」 所沢市の50代自営業男性、SNSの誘いから16回の振り込みで約3億6000万円
金額の桁が違う。埼玉県警所沢署は22日、所沢市の自営業の50代男性が、SNSで知り合った人物から投資を勧められ、計約3億6千万円の現金を失ったと発表した。きっかけは「投資をやった方が今後に生きる」というメッセージだった。男性はネットバンキングなどを使い、6月29日から10月9日まで、16回にわたって指定された口座に振り込んだ。約3カ月半、振り込みが続いたことになる。発覚の端緒は金融機関からの情報提供だった。署が男性に事情を聴き、被害が明らかになった。署は詐欺事件として捜査している。単純に割ると、1回あたり2000万円超。それだけの金が動いても、被害は10月まで止まらなかった。
2. 「株も売却して指定口座へ」 群馬・邑楽郡の60代男性、7回で9547万円、さらに保釈金800万円を要求
沖縄県警の警察官、そして検察官。電話とLINEで名乗った男らは、口座が悪用されたとして逮捕状をちらつかせた。そして、検察と金融庁で全資産を確認するからと、株式まで売って指定口座へ振り込むよう命じた。群馬県邑楽郡の60代男性は8月、この指示に従った。9月3日までに7回。振り込んだ現金は計9547万円に達する。奴らの要求は止まらなかった。次に持ち出したのは「保釈金」。800万円を求められたところで、男性は家族に相談し、ようやく詐欺と気づいた。株まで売らせて全資産を吐き出させる。この手口の恐ろしさは、被害の底がないことだ。館林署が22日に発表した。
3. 公衆トイレに4回、計3250万円 福岡・飯塚市の76歳男性、広島県警の警察官役から検事役へ
「このままだと逮捕される」。福岡県飯塚市の76歳の無職男性に、9月22日、郵便局員を名乗る女から固定電話に連絡が入った。「あなたが送った荷物にキャッシュカードやスマートフォンが入っていた」。続いて広島県警の警察官を名乗る男に代わり、愛知県で捕まった人物が男性名義の通帳を持ち、200万円で買ったと話している、と畳みかけられ、SNSでのやりとりを指示された。1日4回の定時連絡で所在地まで報告させられ、やがて検事役の男が登場する。10月3日以降、検察官役が指定した市内の公衆トイレに計3250万円を4回置き、持ち去られた。19日には指定口座へ100万円を振り込み、被害は計3350万円。飯塚署はニセ警察詐欺として調べている。
4. 11回の送金で2700万円、銀行員の通報で発覚 滋賀・高島市の66歳男性、甲賀市の73歳男性も1100万円
滋賀県警は22日、ニセ警察詐欺の被害を2件発表した。高島市のパート従業員の男性(66)は、9月12日に郵便局員を名乗る男から、男性宛ての郵便物にカードが入っていたとの電話を受けた。警視庁の警察官役、東京地検の検察官役が続き、「口座と残高を教えてほしい」。28日から10月6日までに11回、計2700万円を送金した。多額の送金を不審に思った銀行員の通報で、事件が表に出た。もう1件は甲賀市の73歳男性。大手通信会社の社員を名乗る男から「携帯電話が使えなくなる」と電話があり、警視庁の警察官役から「逮捕状が出ている」と告げられた。10月2日までに3回、自宅の郵便受けの前に現金入りの紙袋を置き、計1100万円をだまし取られた。
5. テレビで手口を知っていたのに 長崎市の50代会社員、両親と兄2人の遺産約2500万円を失う
ニセ警察の手口は、テレビで見て知っていた。それでも防げなかった。長崎市の50代会社員男性は5月15日、クレジットカード会社の社員を名乗る男から「個人情報が流出し、カードが不正契約されている」と電話を受けた。つながれた「八王子署」の警察官役の男は「カードが資金洗浄に悪用され、あなたにも疑いがかけられている」と告げ、地元警察への相談を止めた。通信アプリで指示され、まず200万円を振り込む。検事役の男も現れ、ビデオ通話の画面共有で暗号資産約2300万円分を買わされ、全額を指定のアプリに移した。被害は約2500万円。大半は、亡くなった両親と兄2人の遺産だった。県内の特殊詐欺被害は9月末時点で約26億2800万円と、過去最悪だった昨年の年間額を超えた。
6. ビデオ通話で警察手帳と制服 富山市の60代女性、3回で2079万円
「あなたは容疑者となる」。富山市の60代女性の自宅に、福岡中央郵便局の職員を名乗る男から電話が入ったのは9月17日。用件は、女性名義でタイのバンコクへ送られかけたカード類があるというものだった。続いて福岡県警の警察官を名乗る男が現れ、ビデオ通話で警察手帳と制服まで見せた。女性は本物の警察官と信じ込み、3回に分けて計2079万円を送金した。気づくきっかけはラジオだった。似た手口が紹介されているのを聞き、詐欺だと悟ったという。無実を一刻も早く証明したくて従ってしまった、と女性は話している。警察は、一般の人の携帯に警察官が映像通話で連絡することはないと強調する。制服も手帳も、画面の向こうでは演じられてしまう。
7. 「犯人の家からあなた名義のカードが」 岐阜・関市の60代女性看護師、3回で1886万円
7月、岐阜県関市の60代の女性看護師の自宅に、鹿児島中央郵便局の職員を名乗る男から電話があった。情報漏れを理由に被害届を勧められ、鹿児島中央署への転送を告げられた。出たのは捜査二課の警察官を名乗る男。ある事件の関係者宅から女性名義のカードが出たとして、女性は被疑者だと言い渡された。8月には通信アプリに検事役が現れ、逮捕もできると脅したうえで、金融庁の確認という名目の振り込みを求めた。女性はネットバンキングで3回に分けて、計1886万円を指定口座に振り込んだ。被害が発覚したのは10月、女性が警察に電話で相談したときだった。関署が22日に発表した。
8. 東根市の70代男性から2900万円 中国籍の自称会社役員を成田空港署が逮捕、現金は隣家の軒下に
捜査が実を結んだ。山形県警は22日、中国籍で住居不詳の自称会社役員、林豪杰容疑者(40)を詐欺の疑いで逮捕した。場所は千葉県の成田国際空港警察署。容疑は、何者かと共謀して警察官になりすまし、今年3月ごろ、東根市の70代男性から現金計2900万円とキャッシュカード1枚をだまし取ったというものだ。グループは電話とLINE通話で「捜査のために資産を調べる必要がある」と偽り、男性に複数回、金を用意させた。受け取り方法が手が込んでいる。男性の家の隣の家の軒下に置かせ、名前の分からない者が持ち去っていた。警察は総合戦略特別捜査隊の応援を得て捜査を進め、林容疑者の関与が浮上した。共犯者について詳しく調べている。
9. カンボジア拠点のかけ子に懲役5年 名古屋地裁「高度に組織化された計画的犯行」
カンボジア北西部ポイペトを拠点にした特殊詐欺で、「かけ子」を務めた無職の中川昌樹被告(30)に対し、名古屋地裁は23日、懲役5年と罰金150万円を言い渡した。検察の求刑は懲役7年と罰金200万円だった。岩崎理子裁判官は、かけ子どうしが反省会を開いて手口を磨いていた点を挙げ、「高度に組織化された計画的犯行」と断じた。従属的な立場でも、重要な役割を担ったという。被告は現地が詐欺の拠点だとは知らずに渡り、旅券を取り上げられて見張られる状態だった。この点について、判決は「大きく斟酌することはできない」とした。量刑では、祖母の助けを借りて被害者2人へ計23万円を弁償した点が考慮された。拠点に閉じ込められたとしても、電話をかけた責任は消えない。判決はそう示した。
10. 防災メールが詐欺メールの発射台に アルカディアの不正アクセス、約142万通の不審メールを配信
防災メールのシステムが、詐欺メールの発射台に変えられた。自治体向けの防災情報配信サービスを手がける大阪府箕面市のIT会社「アルカディア」は23日、東京都内で会見し、不正アクセスで同社のシステムから約142万通の不審なメールが配信されたと明らかにした。10月11日に外部から攻撃を受け、13日に流出したアドレスなどへ送られたという。文面はカード会社を名乗り、支払いが完了していないと迫るもので、フィッシング詐欺が疑われる。流出のおそれがあるメールアドレスは、報道により最大約310万件、少なくとも約56万件と数字が異なる。攻撃は今も続いており、天白成一社長は「日々戦っている状況」と述べた。
11. 雇用調整助成金1億1000万円の詐欺容疑で逮捕のツアー会社元社長ら2人、東京地検が不起訴
コロナ禍の雇用調整助成金約1億1000万円を詐取した疑いで、警視庁が逮捕していた。中国人観光客向けのツアー会社の社長だった57歳の女性ら2人について、東京地検は23日付で不起訴とした。地検は理由を、公判で適正な判決が出るかという観点から判断した結果だと説明している。報じられた範囲では、これ以上の具体的な中身は明かされていない。逮捕され、報じられた事件でも、そのまま裁判に進むとは限らない。この日の名古屋地裁では、カンボジア拠点のかけ子に実刑が言い渡された。同じ詐欺という言葉がつく事件でも、行き着く先は分かれた。
12. 買った金を森に置かせる ノルウェーで投資詐欺が拡大
ノルウェーで、投資詐欺が広がっている。手口は、金(ゴールド)を購入させ、その金を森の中に置いておくよう仕向けるというもの。同国の金融業界団体フィナンス・ノルゲが明らかにした、とブルームバーグが伝えた。確認できた記事は冒頭部分のみで、被害額も被害者の数も、そこからは分からない。ただ、日本でも金塊や金の延べ棒を受け渡させる詐欺は、このところ連日のように報じられている。現金より小さく、値打ちの大きい金は、遠く離れた土地でも犯人側の道具になっている。購入させた時点で、金はすでに被害者の手元を離れる準備に入っている。詳細が分かり次第、続報としてお伝えする。
13. キャッシュカードがトランプに化けた 静岡・沼津市で同じ日に2件、封筒すり替え
手品のような手口だ。静岡県沼津市で、キャッシュカードをだまし取られる特殊詐欺が同じ日に2件確認された。10月下旬、90代女性の自宅の固定電話に、市役所職員を名乗る男から「高齢者に還付するお金がある。キャッシュカードを用意して」と電話があった。80代女性には、郵便局員を名乗る男が「カードが古くなっているので交換する」と電話をかけた。どちらも自宅を訪れた男は、カードを封筒に入れて封印するよう指示し、「印鑑を持ってきて」と席を外させた。その隙に封筒はすり替えられ、中に入っていたのはトランプだった。「また来る」と言って、封筒を開けずに保管するよう求めたという。奪われたカードは計5枚で、現金が引き出された形跡がある。警察は2件の関連を調べている。
14. 「ヤクザが銀行員とウラで」 山形・鶴岡市の70代女性、全額払い出して車庫の前に145万円
暴力団を摘発したら、銀行員とウラでつながっていた。そんな筋書きが語られた。山形県鶴岡市の70代女性は10月5日、NTTの職員を名乗る男から「あなた名義で不正に携帯電話が使われている」と電話を受け、刑事や検事を名乗る男らに転送された。「あなたも事件に関与している可能性がある」「口座のお金の札番号を調査する必要がある」「誰にも言ってはいけない」。毎日午前9時と午後5時の定時連絡を命じられ、預金残高を教えた末に、全額の払い出しを指示された。13日、用意した現金145万円を封筒に入れて自宅の車庫の前に置く。約15分後、現金は消えていた。この日の夕方に定時連絡が来なかったことで女性は不審に思い、警察に相談して被害に気づいた。
15. 「女性とメールしませんか」 秋田・北秋田市の60代男性、暗号資産357万円相当
出会いを装うメールが、また男性のスマートフォンに届いた。秋田県警北秋田署は22日、北秋田市の60代男性が特殊詐欺に遭い、357万円相当の暗号資産をだまし取られたと発表した。署によると、7月下旬、男性のスマートフォンに女性との交流を誘う文面のメールが届いた。記載のURLにアクセスすると、「e-partners」というサイトにつながった。報じられた範囲で分かるのはここまでだ。記事の後半は会員限定で、その先の経緯は確認できていない。秋田県内では前日にも、「資産倍増プラン」に申し込んだ大仙市の70代男性が1000万円超の詐欺被害に遭ったと報じられている。出会い系の誘いと投資話が、県内で並んで報じられた。
断言する。電話口の「警察」は、画面に手帳と制服まで出してくる。
今日の報道で目立ったのは、ニセ警察詐欺の被害が九州から東北まで同時に出ていることだ。富山では警察手帳と制服が画面に映り、飯塚では1日4回の定時連絡で行動を縛られ、長崎では亡き両親と兄の遺産が消えた。共通するのは、「誰にも言うな」と相手を孤立させ、疑う時間を奪う点だ。警察は電話やSNSで現金を要求しないし、個人のスマートフォンにビデオ通話もかけない。電話で捜査、逮捕状、資金洗浄といった言葉が出たら、その時点で詐欺だ。切って、家族に話せ。