【詐欺ニュースまとめ 10/18】登録者57万人のYouTuberが偽警察に貯蓄ほぼ全額、埼玉の看護師は2699万円
18日までに報じられた詐欺は十数件。暗号資産を送らされる手口が札幌の690万円、埼玉の2699万円、群馬の700万円と相次いだ。ラオス拠点のかけ子は逮捕が8人に。登録者約57万人のYouTuberも、偽警察に貯蓄のほぼ全額を奪われた。
1. 「ほぼ全財産を取られた」 登録者約57万人の夫婦YouTuber、夫が偽警察に貯蓄を奪われる
注意喚起をする側だった。それでも落ちた。登録者約57万人の夫婦YouTuberの夫が、17日公開の動画で被害を告白した。発端は仕事中にかかってきた見知らぬ携帯番号。警視庁の部署を名乗る相手は「押収品に本人名義のカードがあり、共犯容疑者になっている」と告げ、出頭しなければ口座凍結、勾留は最大20日と脅した。続いて兵庫県警を名乗る人物がLINEで「誰にも話すな」。ビデオ通話で警察手帳を見せ、車で駐車場へ移動させ、検事役に交代して偽の逮捕状まで示した。潔白の証明という名目で、銀行アプリから残高のほぼ全額を送金。定期預金も解約し、消費者金融のアプリ経由で100万円まで引き出させている。止めたのは銀行のセキュリティによる口座ロックと、妻への相談だった。娘の将来のために貯めた金。ニセ警察詐欺は2025年に約1万1014件、約1005億円。もう「高齢者だけ」の話ではない。
2. 「紙幣番号を調べる」から暗号資産・振込・布袋へ 日高市の看護師、3つの手段で2699万円
埼玉県警飯能署が17日に発表した。被害に遭ったのは日高市の56歳の看護師女性。7月24日から、警察官を装う男らがメッセージや電話で迫った。捕まえた詐欺グループが持っていた通帳があなた名義だった、という作り話に、紙幣番号の調査が要るという口実を重ねた。女性は7月30日から8月20日までの間に10回、合計2159万円相当の暗号資産を指定アドレスへ送金。8月8日から9月9日にはATMなどから7回、指定口座に現金350万円を振り込んだ。さらに9月15日、自宅敷地内に現金190万円入りの布袋を置いた。その直後、相手とは連絡がつかなくなり、だまされたと分かったという。送金、振込、置き配。手段を次々に変えながら、奴らは2カ月近くも女性を引っ張り続けた。合計は2699万円。
3. アプリ上の利益は3000万円超、出金には「税金」 札幌の30代男性、暗号資産690万円
マッチングアプリで知り合った「さつき」を名乗る32歳の服店経営者。LINEで持ちかけられたのは、暗号資産の相場情報を共有して一緒に稼ごう、という話だった。札幌市の30代男性は8月10日から9月16日まで、指示された暗号資産アドレスへ16回送金。総額は約690万円相当にのぼる。取引の初期に少額の利益が出たため、すっかり信用したという。指定アプリの画面には、20万ドル以上、日本円で3000万円以上の利益。だが一部を引き出そうとすると、返ってきたのは「引き出すのに税金がかかる」だった。ここで不審に思い、17日に豊平署へ届け出て発覚した。画面の数字は利益ではない。次の送金を引き出すための餌だ。男性には暗号資産取引の経験があった。経験者でも、小さな成功体験の先で足をすくわれる。
4. 【続報】ラオス拠点のかけ子、逃亡先の沖縄にいた24歳を再逮捕 逮捕者は8人に
ラオスの詐欺拠点を巡る捜査に動きがあった。北海道警は18日、沖縄県に住む青砥敬宏容疑者(24)を、詐欺容疑で再び逮捕した。6月21日ごろ、ラオスの拠点から函館市の70代男性に電話をかけ、金融機関職員や警察官を装って現金50万円をだまし取った疑い。潔白を示すために紙幣の識別番号を調べる、という口実だったと報じられている。ラオス当局は6月、日本人7人を含む101人を拘束。青砥容疑者は摘発時に拠点におらず、逃亡先の沖縄で9月25日に逮捕されていた。10月15日には、拠点にいた日本人の男7人が北海道に移送され、逮捕されている。警察は8人全員をかけ子とみて、余罪を調べる。認否について、警察は8人分とも明らかにしていないと報じられた。海外で捕まらなければ、国内に逃げる。逃げた先でも、警察は追っている。
5. 「現金を暗号資産に換えれば捜査できる」 富岡市の60代男性、700万円分を送る
群馬県警富岡署が17日までに発表した。9月7日、富岡市の60代男性の自宅に金融機関職員を装う男から電話があった。口座に不審な送金があるとして、兵庫県警の警察官に代わると告げられた。そこから先は、SNSのビデオ通話だ。警察官や検察官を名乗る男らが現金を暗号資産へ換えれば捜査が進む、とうそを重ねた。男性は9月30日、アプリを通じて購入した暗号資産を、男が指定した送付先へ送った。額は700万円分。最初の電話から送金まで、23日。その間じゅう、男性は「捜査に協力している」つもりだったはずだ。現金を暗号資産に換えさせる捜査など、存在しない。警察はそんな指示を出さない。詐欺事件として調べている。
6. 門扉の上に置いた紙袋を4回 邑楽郡の70代女性、郵政職員と警察官を装う男に1260万円
群馬県警大泉署が17日までに発表した。邑楽郡の70代女性のもとに、郵政職員や警察官を装う男から電話があったのは8月10日ごろ。個人情報が悪用されている恐れがあるので口座を調べる、というのが電話の趣旨だった。やがて話は、下ろした金を封筒へ入れる様子をビデオ通話で見せろ、という指示に変わる。門扉の上に置けば警察官が回収に行く、とまで言われた。女性は言われたとおり、現金を入れた紙袋を8月23日から9月2日までの間に4回、門扉の上に置いた。計1260万円。最初の電話から被害に気づくまでおよそ4週間、友人に相談してようやく発覚した。家の外に金を置かせる。顔を合わせずに回収する。受け取りの手間を最小にした、悪質な形だ。詐欺事件として捜査している。
7. 「株でもうけて追徴税」の受け子か 68歳の無職男を再逮捕、群馬県警
群馬県警は17日までに、横浜市中区の無職の男(68)を詐欺の疑いで再逮捕した。容疑の舞台は渋川市。6月8日、仲間と示し合わせ、60代の女性宅へ息子らしき人物として電話が入った。株の利益に追徴税が出る、払わなければ脱税で捕まる、というのが電話の筋書きだった。男は同日午後6時10分ごろ、近くの金融機関のそばに現れ、弁護士事務所の職員になりすまして50万円を受領。現金を手にした疑いがある。男は9月7日にも、高崎市の男性から50万円をだまし取ったとして逮捕されていた。調べに対し、容疑を認めているという。現金を受け取る受け子役とみられる。68歳。電話をかける側ではなく、金を受け取りに出向く側だった。1件ずつ余罪が積み上がっていく。
8. 「税金を滞納して口座が止まった」 新潟市秋葉区、80代女性に300万円要求の16歳を現行犯逮捕
新潟県警秋葉警察署は16日昼前、住所・職業不詳の16歳の男を、詐欺未遂の疑いで現行犯逮捕した。氏名不詳者らと共謀して、同日までに複数回、新潟市秋葉区の80代女性に電話をかけたという。名乗ったのは息子と弁護士。税金の滞納で口座が止まった、納めるのに300万円要る、と持ちかけ、その日のうちに現金の受領を図った疑いがある。女性が警察署に届け出ていたため、金は渡らなかった。逮捕は16日の12時32分。現場で受け取りに来たところを押さえた形だ。16歳。大人の指示で動く受け子役に、未成年が使われる構図が、また一つ。電話の主は今も別の場所にいる。届け出た女性の判断が、被害を食い止めた。
9. SNS型投資詐欺は1〜8月で937.4億円、最初の接触は「バナー等広告」が最多
警察庁の集計をまとめた記事が出た。2026年1〜8月の暫定値では、SNS型投資詐欺は7097件、被害は937.4億円。前年同期の約1.5倍で、特殊詐欺全体の被害額2360.7億円の約4割にあたる。手口の別で見ると、728.6億円のニセ警察詐欺も、325.8億円のSNS型ロマンス詐欺も抜き、被害額は最大だ。上半期の資料では、犯人側との最初の接触手段は「バナー等広告」が2330件で39.5%と最多。ダイレクトメッセージが28.8%、投稿が24.7%と続いた。最初に接触したツールはInstagramが1403件。その後の連絡手段はLINEが5658件、実に96.0%を占める。広告で釣り、LINEへ誘導する。この流れを知らないまま、画面の儲け話に触れる人がまだ多い。
10. 福岡県内のニセ電話詐欺は8月末までに73億7000万円余り 北九州でフットサル選手が呼びかけ
18日、北九州市八幡西区のイオンタウン黒崎で、ニセ電話詐欺の被害防止キャンペーンがあった。壇上に立ったのは、地元のプロフットサルチームの選手3人(ボルクバレット北九州)。「ニセ電話詐欺にレッドカード」を掲げ、地域のみんなで声をかけ合って大切な人を守ろう、と訴えた。この場で改めて示されたのが、被害の大きさだ。県内の被害額は、1月から8月末の累計で73億7000万円余りに達する。警察の訴えは単純で、電話で金の話が出た時点で詐欺を疑え、というものだ。選手の呼びかけで人が足を止めるなら、それは大きい。ただ、奴らは電話一本で月に数億円を動かす。その差を埋めるのは、家族や隣人が交わす一言だ。
11. タイムズカーのパーク24、免許証画像など160万件が流出 専門家「詐欺電話に悪用される恐れ」
カーシェアのタイムズカーを運営するパーク24で、外部からの不正アクセスにより、退会者を含む約660万件分の会員情報が漏れた。うち約160万件には、運転免許証などの本人確認書類の画像が含まれる。画像には免許証のほか、公共料金の請求書など現住所確認書類、学生証、家族確認書類もあった。同社は、クレジットカード情報とパスワードは含まれず、9月28日時点で不特定多数への公開や不正利用の事実はないとする。一方、国際ジャーナリストは「免許証画像だけで借金や口座開設は難しい」としつつ、氏名・住所・生年月日・電話番号・メールアドレスがそろうことの危うさを指摘。「警察を名乗る詐欺電話などに悪用される可能性がある。クレジットカード情報の流出と同等と認識すべきだ」と述べた。金融庁は金融機関に、免許証画像による本人確認をやめるよう求めている。
12. 水協銀行、詐欺に使われた口座の被害額が今年9月までで9億2800万ウォン 韓国
韓国の水協銀行で、ボイスフィッシングなど金融詐欺にかかわった口座の被害額が急増している。国会議員が水産業協同組合中央会の提出資料を分析し、18日に明らかにした。金融詐欺の被害口座と確定した口座の被害額は、2023年の80万ウォンから2024年に9200万ウォン、昨年は2億600万ウォンへ。今年は9月までで9億2800万ウォンと、2024年の約10倍に達した。被害口座の数も、2023年の1件から2024年は4件、昨年は36件、今年9月までで85件。昨年1年分の2倍をすでに超えている。別の数字もある。水協銀行と水協相互金融では、2021年から昨年の5年で金融事故が計38件、事故金額は200億6100万ウォンに及ぶ。議員は、事故後の対応にとどまらず、脆弱な分野の管理と監督体系を根本から強化するよう求めている。
13. 海外法人や暗号資産での不動産取引を点検項目に追加 国交省が資金洗浄対策の改定案
国土交通省が、不動産取引を使った資金洗浄を防ぐため、宅建業者向けの「疑わしい取引」チェックリストの改定案をまとめた。共同通信が18日に報じた。追加されるのは、不審点のある海外法人との取引と、暗号資産での取引。一つでも当てはまるか、判断に迷った場合は、国交省や都道府県への届け出を求める。集まった情報は警察庁が集約し、捜査に活用する。対策に消極的とされる国の個人・法人が相手の取引も、届け出の対象だ。対象国は、国際的な枠組みFATFのリストを参考に判断する。反映するのは業界団体の協議会で、時期は月内にも、という。背景にあるのは、カンボジアを根城にする中国系犯罪組織の幹部が、都内の高額物件を短期間のうちに売り買いしていた事例だ。奪った金は、物件に姿を変えて洗われていく。
断言する。「利益が表示された」も「警察が取りに行く」も、詐欺の台詞だ。
札幌の男性が見たのは、アプリ上の3000万円。出金しようとして初めて「税金」を求められた。群馬では「現金を暗号資産に換えれば捜査できる」「門扉に置けば警察官が取りに行く」。埼玉では「紙幣番号を調べる」。どれも本物の捜査にも、本物の投資にも存在しない手順だ。登録者57万人のYouTuberが、詐欺の手口を知ったうえで貯蓄を奪われた。知識だけでは足りない。電話やビデオ通話の中で恐怖を煽られ、「誰にも話すな」と封じられたら、その時点で相手は詐欺だ。切って、誰かに話す。奴らが一番恐れているのは、それだ。