【詐欺ニュースまとめ 10/10】カンボジア拠点の「かけ子のリーダー」逮捕で40人目 韓国では「煮干し財閥の息子」が100億ウォン超
10日までの24時間に報じられた詐欺は14件。カンボジア拠点のかけ子リーダーが逮捕され、逮捕者は40人目に。青森と福島でニセ警察詐欺が相次ぎ、韓国では被害100億ウォン超の投資詐欺疑惑も浮上した。
1. 【続報】カンボジア拠点の「かけ子のリーダー」を逮捕 古賀市の自称トレーダー、井上清輝容疑者(38)で40人目
カンボジア北西部ポイペトの詐欺拠点をめぐる捜査で、また一人が捕まった。愛知県警などの合同捜査本部は9日、福岡県古賀市の自称トレーダー、井上清輝容疑者(38)を組織的詐欺の疑いで逮捕した。日本人かけ子グループのリーダー格とみられている。容疑は昨年5月、警察官らを装って川崎市の42歳の女性会社員から約600万円をだまし取った疑い。拠点のオーナーとされる会社役員の指示を受け、他のかけ子と共謀したとされる。グループの幹部と報酬などをやり取りしていたとみられ、かけ子たちを束ねる立場だった可能性がある。井上容疑者は「私は詐欺なんてやっていません」と話し、否認しているという。この事件で逮捕されたのは、これで40人目。オーナーから現場の電話班まで、上から下へ糸をたぐるように捜査が進んでいる。
2. 「煮干し財閥の末息子」を名乗りゴルフ場で人脈づくり 韓国で100億ウォン以上の投資詐欺疑惑
韓国で、資産家を装う男の投資詐欺疑惑が浮上した。JTBCの報道として伝えられたもので、被害者らは被害総額を少なくとも100億ウォン(約11億円)と見ている。男の触れ込みは、麗水で漁船団と煮干し工場を営む名家の末っ子。高級腕時計や金のブレスレットを身に着け、札束の映像まで見せて実業家を演じた。ほぼ毎日ゴルフ場に通い、約2年かけて地域の高齢者や有力者と親しくなり、そこから知人を紹介させる。「煮干しを売れば大きな利益が出る」と投資を勧め、当初は約束どおり収益を支払っていた。支払いが止まったのは2026年に入ってからだ。被害者の一人は約2億8000万ウォンを失い、自宅を担保に借金して資金を作っていたという。待ち伏せして見つけた男の名字は偽りで、出身地も麗水ではなかった。男は警察に連行された後に釈放され、姿を消したとされる。
3. 「固定電話だと家族にばれる」スマホを契約させ、ビデオ通話で「400万円を送れ」 青森の70代女性
八戸警察署によると、9月17日、青森県内の70代女性の自宅の固定電話が鳴った。神奈川県警を名乗る男は「あなたの名義で不正に口座や携帯電話が契約されている」と告げ、刑事役の男に電話を代わった。刑事役は、あなた名義の契約で2000人が被害に遭っていると告げ、女性本人にも容疑がかかっていると畳みかけて、誰にも話すなと口止めした。さらに「固定電話だと家族にばれてしまう」と、スマホを新しく契約するよう求める。女性が従うと、LINEでのやり取りが始まった。ビデオ通話で言われたのは「資産を調査するので、現金400万円を指定の住所に発送してほしい」。10月1日、女性はコンビニから新潟県内の個人宛てに現金を送った。発送後に家族へ相談し、被害に気づいた。口止めと新しいスマホで孤立させ、荷物として金を出させる。電話一本から二週間かけた、周到な段取りだ。
4. 「NTT社員」から「警察官」「検事」へ 青森の70代女性、郵便受けのケースごと消えた現金440万円
青森署は9日、県内の70代女性が現金約440万円をだまし取られたと発表した。発端は9月中旬。NTT社員を自称する男が電話をかけてきて、女性名義の携帯電話が悪用されていると告げた。教えられた番号に折り返すと、出たのは警察官を名乗る男。詐欺事件の共犯者として名前が挙がっているので預金を調べたい、と言われた。女性は預金口座から現金計440万円余りを引き出す。30日、今度は検事を名乗る男に言われるまま、現金をケースに詰め、自宅の郵便受けに載せて待った。数分後、ケースごと現金はなくなっていた。後日、違和感を覚えて警察に相談し、被害に気づいたという。電話会社、警察官、検事。役者を入れ替えるたびに、話の格が上がっていく。最後は郵便受けに置くだけで、受け取り役が顔を見せる必要すらない。
5. 「全財産の紙幣を確認する」検察官役がビデオ通話で要求 白河市の70代女性、郵便受けに置いた240万円
福島県白河市の70代女性が、ニセ警察詐欺で現金240万円をだまし取られた。警察によると、9月23日ごろから10月3日までの間に、自宅の固定電話へ空港職員を名乗る人物から電話があった。衣類やパスポート、キャッシュカードを誰かに送ってはいないか、という問いだ。身に覚えがないと答えると、警察に連絡すると告げられた。続いて警察官を名乗る男が女性の携帯電話に連絡し、マネーロンダリング事件に関わった疑いがあると説明。次の相手は検察官を名乗る男。SNSのビデオ通話で、潔白を証明したいなら手元にある全財産の紙幣を見せろ、と迫られた。女性は信じ、自宅の郵便受けに現金240万円を置いた。何者かが持ち去った。空港職員、警察官、検察官。三人の役者が入れ替わり、固定電話から携帯、ビデオ通話へと舞台も移した。警察がSNSで捜査を進めることも、現金を求めることもない。
6. イヤホンの指示が「スピーカーモード」で筒抜け 高知で受け子の62歳、騙されたふり作戦で現行犯逮捕
奴らの詰めの甘さが出た。高知県警は9日、住居不定無職の男(62)を詐欺未遂の疑いで現行犯逮捕した。高知市の80代女性に株の購入権利を口実に、300万円を出させようとした疑いだ。女性は5月、SNSの広告をタップして投資家を名乗る人物とつながり、アシスタントを紹介されて投資アプリを入れ、8月に150万円を振り込んでいた。9月、別件の聞き込みで訪れた捜査員にこの話が伝わり、被害が発覚。警察と女性は「騙されたふり作戦」に切り替えた。受け取りに現れた男は、タクシーを降りてキャリーケースからネクタイと上着を取り出し、イヤホンを付けて家を撮影した。ところが女性宅の中で、何者かの指示がスピーカーモードのまま漏れる。「そろそろお金をもらいなさい」。男は、金を受け取るために高知へ来たと認めている。警察は共犯者も調べている。
7. 「言うとおりにすれば儲かる」アプリ上の利益1500万円、出金は保証金236万円から 山形・長井市の60代男性が177万円
「金の投資を始めたら大きな利益が出た」。Facebookで以前から知り合っていた女性にLINEへ誘われ、山形県長井市の60代男性は7月上旬、投資アプリを入れた。実名認証を求められ、免許証などの写真を送った相手は「国際金資金部の部長」。8月上旬に試しに17万円を振り込むと、アプリには利益まで表示された。ここから振り込みが続く。アプリ上の利益が1500万円に膨らんだところで出金を申し込むと、返ってきたのは保証金236万円の請求だった。男性は違和感を覚え、振込先の金融機関に問い合わせた。口座はすべて凍結されていた。6回の振り込みで、失った額は計177万円。画面の数字は本物の金ではない。出金の前に「保証金」を求めてくるのは、この手口の定番だ。長い付き合いのSNSの知人でも、投資の話が出た瞬間に疑うしかない。
8. 「金貨を買えば利益が出る」SNSの勧誘で約80万円 福島・石川郡の60代男性、金貨は届かなかった
福島県の石川郡に住む60代の男性が、SNSで出会った相手に金貨への投資を勧められ、約80万円を失った。福島中央テレビが伝えた。8月中旬から9月下旬にかけて、相手は「金貨を買えば儲かる」という趣旨の話を持ちかけたという。男性は信じ込み、複数の銀行口座へ合計約80万円を送った。ところが、いつまで待っても金貨は届かない。不安になって警察に相談し、被害が発覚した。投資の「利益」を画面で見せる手口が多いなか、これは実物の金貨を買わせる形をとる。手元に届くはずの物が届かない。その時点で、すでに異常だ。石川署は、SNS上の投資話や投資家を名乗る人物からの連絡は詐欺を疑うよう呼びかけている。住所の類いも、会ったことのない相手に気軽に教えてはいけない。
9. 「イエメンのWHO医師」を名乗る相手に飛行機代46万円 青森の60代男性、次は118万円を要求された
つがる署は9日、青森県内の60代男性がSNS型ロマンス詐欺で現金46万円をだまし取られたと発表した。9月13日、男性はSNSで、紛争が続くイエメンで世界保健機関(WHO)の医師として働いていると自称する女と知り合う。LINEでやり取りを重ねるうちに、親近感を抱いた。やがて届いたのは「日本に帰りたいが飛行機代がない」「帰ったら倍にして支払う」という頼み。そこへ航空券の手配役を名乗る者がSMSで振込先を伝えてきて、10月7日、男性はATMから、ネット銀行にある個人名義の口座へ46万7800円を送った。そこへ追加で、パスポート代118万円の要求。同様の手口があることを知り、被害に気づいた。紛争地域の医師という設定、帰国のための費用、個人名義の口座。要求が続いたことで目が覚めたが、118万円を払っていれば被害は三倍以上に膨らんでいた。
10. 亡くなった親戚のLINEから届いた「好意」 岩手の60代男性、露出が増える画像と投資の誘い
岩手県の県央部に住む60代の男性のもとに、2026年7月、すでに亡くなった親戚のLINEアカウントからメッセージが届いた。文面は、友だちリストで見つけたので連絡した、どこかでお会いしましたか、というもの。送り主は34歳を名乗る女で、住んでいる場所など個人情報を尋ねてきた。ジムでのトレーニング動画や水着姿の写真が次々に送られ、露出はだんだん増えていく。1週間ほどたつと、女は「叔父さんのところで投資を勉強している」「一緒に勉強しませんか」と持ちかけ、口座開設のため担当者にLINEで連絡するよう求めた。男性はここで詐欺と確信して拒否し、「画像は別人ですよね?」と指摘したところ、返信は途絶えた。県警は、解約された親戚の携帯番号が犯行グループに渡り、LINEアカウントが作られた可能性が高いとみる。県内のロマンス詐欺は1〜8月で31件、1億8000万円余りにのぼる。
11. 施術日数を水増しして保険金を請求 徳島の柔道整復師の47歳を再逮捕、黙秘
施術日数を水増しして保険金をだまし取った疑いで、徳島県阿南市の柔道整復師の男(47)が9日、再逮捕された。男は小松島市内で整骨院を経営している。警察の調べでは、自分の整骨院に事故の負傷で通っていた共犯者と示し合わせ、5月に2回、実際より多い日数を保険会社へ請求。計8万1720円を受け取った疑いがある。さらに8月には、通院交通費などの名目で保険金を請求し、計66万8160円をだまし取った疑いもある。男は「話したくない」と黙秘している。9月にも同様の手口による別の詐欺の疑いで逮捕されており、警察は余罪を調べている。治療する側が日数をいじり、患者も共犯になる。1回ごとの額は小さく見えても、積み重なれば別の話だ。保険は、加入者みんなの掛け金で成り立つ仕組みである。その財布に手を入れる行為が、今回の疑いの中身だ。
12. 「詐欺事件の重要参考人として出頭を」 元マル暴の格闘家のもとへ、ニセ警察から電話
静岡県警の元刑事で、組織犯罪対策部、いわゆる「マル暴」にいた総合格闘家のもとに、ニセ警察の電話がかかってきた。本人がXで報告した。昼寝をしていると、080で始まる番号から着信。ある詐欺事件の重要参考人なので、警察署まで来てほしいという用件だった。「いいですよ」と応じたうえで「何の詐欺事件か、具体的に教えてください」と尋ねると、相手は要領を得ずにモゴモゴ言い出した。「もうちょっと警察官の話し方を勉強された方がいいですよ」と告げると、電話は切れたという。本人は、警察からの電話は番号末尾が0110の警察署のものがほとんどで、参考人として話を聞く場合は事件の日時や場所、具体的な内容を示したうえで依頼されると説明している。相手が悪すぎた。だが、同じ電話を受けた人が元刑事とは限らない。
13. 徳島県警、1〜9月の特殊詐欺は134件・10億6446万円 被害額の9割近くが「ニセ警察」とSNS投資
徳島県警のまとめによると、今年1〜9月の特殊詐欺は134件、被害額は10億6446万円。前年同期(145件、11億1437万円)より少ないが、総額の9割近くを占めるのはニセ警察詐欺とSNS経由の投資詐欺で、この2つは前の年を上回る勢いだ。内訳を見ると、ニセ警察詐欺が40件で4億7627万円。前年の同じ時期より8件、6067万円増えた。担当は県警の捜査2課だ。9月だけでも7件、1973万円の被害が確認されている。件数と総額は減っていても、中身は悪化している。数字の上では落ち着いたように見える陰で、被害が特定の手口に集まってきた。県警は、引き続き注意するよう呼びかけている。
14. 足立区は8月末で15億円超、高槻署は去年の約2倍の11億5000万円 各署が「全国地域安全運動」を前に被害額を公表
11日から全国地域安全運動が始まるのを前に、各地の警察署が特殊詐欺の被害額を相次いで示した。東京・足立区では、特殊詐欺の認知件数がこの5年間でほぼ倍増。去年の被害額は約9億2800万円だったが、今年は8月末までで15億円を超えた。綾瀬署の署長は「危機的な状況」と述べている。大阪府警・高槻署は防犯大会で、管内の今年の被害総額が約11億5000万円と、去年の約2倍にのぼると伝えた。警視庁の三鷹署管内は9月までに約120件、被害額は約9億円。練馬署管内は1月から9月末までに119件、約10億円で、前年同期より約6億円増えている。三鷹署の一日署長を務めたお笑い芸人は、自分もSNSのロマンス詐欺に引っかかりかけたと明かし、だまされないという思い込みは禁物だと呼びかけた。
断言する。奴らが最初に奪うのは金ではない。相談できる相手だ。
青森では「固定電話だと家族にばれる」とスマホを契約させ、「誰にも話すな」と口止めした。白河では空港職員、警察官、検察官と三人の役者を替えて、郵便受けに現金を置かせた。電話会社、警察官、検事と渡った青森の440万円も同じ構図だ。共通しているのは、被害者を孤立させる段取りである。一方、高知では捜査員の聞き込みで話が表に出たことで、騙されたふり作戦が動き、受け取りに来た男が捕まった。青森の女性が400万円を送った後に家族へ相談して気づいたのも、話した結果だ。誰かに話した瞬間、奴らの筋書きは崩れ始める。口止めを求められたら、それ自体が詐欺の合図だ。