【詐欺ニュースまとめ 10/11】FBI長官が語る「詐欺拠点の爆撃」と150億ドル押収 モルドバでは詐欺コールセンター5カ所を捜索
11日までの24時間に報じられた詐欺は13件。FBI長官が詐欺拠点の爆撃と約150億ドルの暗号資産押収を語り、モルドバでは5つのコールセンターを捜索。ニセ警察の電話は福岡や山口でも続いた。
1. 詐欺拠点を空軍が爆撃、暗号資産約150億ドルを押収 FBI長官が大紀元の番組で語る
FBIの長官が大紀元の番組取材に答えた。昨2025年、米国の被害者がネット犯罪や詐欺で失った総額は200億ドル超で、その半分近くが、偽の暗号資産口座を使う「ピッグ・ブッチャリング」型の投資詐欺だという。FBIは「ブラックアウト作戦」の名で、東南アジアの国境地帯、具体的にはカンボジア、ミャンマー、タイ周辺の大きな詐欺拠点を、次々に潰してきたと説明する。長官によれば、タイ空軍の協力で一部の拠点を爆撃して破壊し、およそ150億ドル相当の暗号資産を押収、数千人の人身売買の被害者を解放したという。見出しは「2兆円相当」と円に直している。ただし、これは長官本人の発言を伝える番組の内容で、数字の裏付けまでは確認できない。奴らの巣は、国境ごと狙われている。
2. 銀行員を装う詐欺コールセンター5カ所を同時捜索 モルドバ・キシナウで複数人を拘束
モルドバの首都キシナウで、詐欺のコールセンター5カ所から成るネットワークの捜索があり、複数の人物が拘束された。金曜の夜、国家捜査監察局の捜査官が警察官や検察官と組み、特殊任務の部隊の支援を受けて踏み込んだ。当局が調べているのは、EU域内の銀行の顧客を含む被害者に、どう接触したかだ。類似の事件では、オペレーターが銀行のセキュリティ部門の職員を装い、被害者のスマホアプリに入り込んでいた。奪った金は、第三者名義の口座や暗号資産のプラットフォームへ流された。今年7月にはウクライナで、モルドバ出身のオペレーター約180人を抱える網が摘発されている。奴らは国を越えて、銀行員の声で電話をかけてくる。
3. 「リアルタイムのディープフェイク」を使う詐欺犯 愛知県警を名乗る電話を録画したエンジニア
関西に住む30代のITエンジニアの女性のもとへ、6月下旬の午前、知らない番号から着信があった。「愛知県警生活安全課」を名乗る男は、逮捕した犯罪グループからキャッシュカードが見つかり、あなたにも容疑がかかっていると告げる。女性は詐欺を疑い、録音と画面録画を回して、だまされたふりを続けた。約45分後、Zoomでの「取り調べ」に誘導される。画面にはスーツ姿の男が現れて警察手帳を見せたが、カメラは30秒ほどで切れた。次はマイナンバーカードを見せろと求め、見つからないと答えると、通話をつないだまま家の中を探せと命じた。朝日新聞はこの記録を、リアルタイムのディープフェイクを使う詐欺犯の証言として報じた。
4. 著名人かたる広告からLINE、Signalの「勉強会」へ 青森の40代男性が70万円
7月中旬、青森県内の40代男性は、TikTokに流れてきた著名人をかたる投資広告からLINEを登録した。アシスタントを名乗るアカウントに投資勉強会のグループへ招かれ、講師役が教える「優良株」を自分の証券口座で買うと、本当に値上がりした。罠はここからだ。8月中旬、「AIが利益の出る株を自動で買う」というアプリへの入金を勧められ、10万円、さらに2回で計62万円を、コンビニATMから個人名義や法人名義の口座へ振り込んだ。アプリ上では利益が出ていたが、保有資産を超える株を勝手に買われ、不足分を請求される。男性がAIに尋ねると「詐欺の可能性が高い」と返り、金融機関から情報を受けた警察官の指摘で被害に気づいた。被害は計70万円。弘前署が発表した。
5. 銀行員・役場職員を装い、70〜90代5人のカードを詐取 受け子の21歳に執行猶予、那覇地裁
沖縄の高齢者5人(70〜90代)に、金融機関や役場の職員を装ってカードと通帳を預けさせ、ATMで計約187万円を引き出した。愛知県の会社員の被告(21)は詐欺と窃盗などの罪で起訴され、那覇地裁は5日、拘禁刑3年、執行猶予5年に加え、罰金30万円の判決を出した。求刑は拘禁刑4年と罰金200万円。被告は知人から「短期間で高額を稼げる仕事」と紹介されて加わり、報酬は受け取っていなかった。公判では起訴内容を認めている。全員への弁償と示談が済んでいること、前科がなく若いことなどから、裁判官は、今回は社会の中でやり直す機会を与えるのが妥当だと判断した。被害者の中には「まだ若いんだから、頑張って」と声をかけた人もいたという。
6. 「だまされたふり作戦」で49歳の女を現行犯逮捕 広島・三次、500万円の受け渡し現場
10日の午後3時35分ごろ、広島県警が詐欺未遂の疑いで女(49)を現行犯で逮捕した。大阪府枚方市に住む無職で、捜査したのは三次署と組織犯罪対策1課だ。だまされたふり作戦による逮捕だ。被害者側が警察に相談したうえで、だまされたように装って受け取り役を待ち受ける捜査である。中国新聞は同じ日、関連する出来事として、「三次の500万円の受け渡し現場を張り込み、2人目を逮捕した」と見出しで伝えている。詳しい手口や、2人の関係は今のところ分からない。住所が大阪の人物が、広島県北部まで現れていたことになる。受け取りの現場に姿を見せれば、その場で終わる。奴らの足元は、すでに崩れ始めている。
7. 警察官を装い1050万円 逮捕された28歳の男を熊本地検が不起訴、理由は明かさず
熊本地検は、高齢の女性から現金1050万円をだまし取った疑いで逮捕・送検されていた、東京都小平市の自称・清掃業の男性(28)を不起訴処分とした。男性は仲間と共謀し、警察官などを装って、熊本市の81歳の女性に電話でうそを言い、今年3月に女性の自宅で現金を受け取ったとして逮捕されていた。熊本地検は、処分の理由について、刑事訴訟法の規定により明らかにできないとしている。不起訴は、無罪が確定したという意味ではない。証拠が足りなかったのか、別の事情があったのか、外からは分からない。被害者が失った1050万円については、今回の報道では何も触れられていない。
8. 800万円の詐欺疑いで少年を逮捕 防府署 周防大島では「PC感染」の電子マネー75万円
山口県では11日付で、詐欺の関連ニュースが2本出た。1本目は、防府署が800万円の詐欺の疑いで少年を逮捕したという報道だ。全文は会員限定で、手口や少年の役割までは読み取れなかった。2本目は、周防大島町の60代の男性が、「PC感染」を装う詐欺で電子マネー75万円分の被害に遭ったという。柳井署の管内の事件だ。パソコンの画面に「ウイルスに感染した」と警告を出して連絡させ、電子マネーのコードを送らせる手口は、古いようで、今も被害が絶えない。高額の大きな事件の陰で、こうした数十万円の被害が地方紙の隅に毎日積み上がっていく。
9. 「マイナンバーが偽造された」「アジトからカードが出た」 福岡の嘉麻市と飯塚市に不審電話
福岡県の嘉麻市では、日本郵便や警察を名乗る人物から、住民宅に「マイナンバーが偽造された」という不審な電話があり、口座情報を尋ねられた。飯塚市では、警視庁の警察官を名乗る人物が男性の携帯電話に連絡し、「マネーロンダリング事件の犯人のアジトからあなたのカードが出た」と告げ、SNSでの連絡を促した。2件とも、現金を取られたとの報道はなく、注意喚起の段階だ。ただ、どちらも「あなたの名義が犯罪に使われた」と思わせ、口座情報の聞き出しや、通話アプリへの移行へ進める筋書きになっている。電話口で口座の話が出た時点で切ること。それだけで、この2件は終わる。
10. 兵庫は過去最多、大阪は8月末で215億円超 全国地域安全運動を前に各地の数字
11日から始まった全国地域安全運動を前に、各地の被害の数字が示された。兵庫県の公表によると、昨年(令和7年)の県内の特殊詐欺は、認知件数も被害額も、統計を取り始めた平成16年以降で最多となった。全国の順位では、件数が悪い方から4番目、被害額は5番目に当たる。特徴として、ニセ警察詐欺の急増、携帯電話での接触の増加、国際電話を使った犯行の増加、ネットバンキングを使った被害額の大幅な増加が挙げられている。被害の7割以上が神戸・阪神地域、5割以上が65歳以上だ。大阪府では、今年の被害額が8月末時点で215億円を超えた。警察は、国際電話が多いとして、警察庁が推奨するアプリの導入を呼びかけている。
11. 「警視庁遺失物センター」の封書に注意 QRコードの先でマイナンバーを入力させる
警視庁の匿名・流動型犯罪グループ対策本部は8日、公式のXアカウントで、「警視庁遺失物センター」をかたる封書への注意を呼びかけた。封書にはQRコードがあり、読み込むとニセのサイトへ誘導されて、マイナンバーなどの個人情報を入力させられる。同本部は見分け方として、封書には必ず切手が貼ってあること、問い合わせ先に携帯電話の番号を載せないことを挙げている。不審な封書が届いた場合は、最寄りの警察署へ相談するよう求めた。Togetterでは、小説家が同じ手口に警鐘を鳴らしていたことが話題になっている。電話やメールだけでなく、紙の手紙まで使ってくる。しかも切手付きでだ。
12. チラシ、決済パネル、「社長」のLINE QRコードを悪用する「クイッシング詐欺」が急増
QRコードを悪用した詐欺が増えている。チラシやメールに載せたQRコードで偽サイトへ誘う手口のほか、キャッシュレス決済のパネルに偽のQRコードが貼られた例もある。件数は昨年の10倍以上という。企業の幹部になりすました人物が、LINEのグループ作成を指示して送金を促す型も急増している。社内のセキュリティが及ばないLINEへ、連絡手段を移すのが狙いだ。専門家は、被害のほとんどは読み込んだ時ではなく、遷移先のサイトで個人情報を入力した時に起きると話す。怪しいサイトが出たら指示を無視して閉じること、LINEで怪しい友だちを追加したらすぐブロックすることを勧めている。決済で読み込む前には、上からシールが貼られていないかを見ておく。
13. 「2400万円渡したのに音信不通」 元ゴールドマン・サックスのコンプライアンス担当が明かすロマンス詐欺の型
かつて米系投資銀行のコンプライアンスを担当していた女性が、日刊SPA!のインタビューで、ロマンス詐欺の相談の実態を語った。会社の代表番号には、「元営業のあの人にお金を渡したが、本当にいるのか」という電話が入り、多いものでは2000万円を超えていたという。女性が挙げた事例では、Facebookのメッセージで知り合った40代の薬剤師が、毎日の連絡のあと急に連絡を絶たれ、依存したところでLINEへ誘導された。「僕が運用して増やす」と持ちかけられて360万円を送り、数日後に返信が途絶え、アカウントも消えた。急に引くことで相手への不安を煽る、という型だ。被害者は40代以上で資産がある人が多いと語っている。
断言する。奴らは「公的な顔」と「紙の手紙」と「あなたのスマホ」まで使ってくる。
この日の報道は、国境を越える拠点の摘発から、警察を名乗る電話、QRコード付きの封書、LINEの投資勉強会まで、手口の幅の広さが目立った。共通するのは、本物の警察や銀行、著名人の顔を借りて、冷静に考える時間を奪うことだ。電話口で口座やカードの話が出たら、その時点で切る。QRコードを読み込む前に、出どころを疑う。それだけで防げる被害は、毎日の報道の中に何件もある。