【詐欺ニュースまとめ 9/26】玄関前の金塊3キロ、7456万円が消えた “だまされたふり”で受け子の女を逮捕 津幡ではTikTok発のロマンス詐欺で1500万円
報道約140本から13件。奈良では80代男性が金塊3キロ・約7456万円相当を奪われ、追加の金塊を取りに来た女が現行犯逮捕。北海道ではニセ警察と投資詐欺の被害が4件、計4200万円超。
1. 玄関前に置いた金塊3キロ、約7456万円 次の1.8キロを取りに来た女を現行犯逮捕
奈良市の80代男性のもとに、6月から毎日のように電話がかかってきた。名乗ったのは警察官や検察官。口座が不正に作られている、逮捕を免れたければ資金を調べさせろ、という筋書きだ。9月9日、男性は指示どおり金塊3キロを玄関前に置いた。時価およそ7456万円相当。それきり消えた。奴らの要求はまだ終わらない。男性は金塊を買い足したが、不審に思った販売店が警察に通報し、事件が発覚した。警察は男性に協力を頼み、偽物の金属を用意して“だまされたふり”を続けた。25日、約4258万円相当とされる金塊1.8キロを受け取りに現れたのが、台湾出身で自称貸金業の31歳の女。詐欺未遂の疑いで現行犯逮捕され、弁護士が来るまで話さないと黙秘している。警察は9日の被害との関連も調べている。
2. 【続報】「6000億円の詐欺、あなたのカードも」カンボジア拠点のかけ子、指示役は中国人か
カンボジアの詐欺拠点から日本に電話をかけていたとして警視庁が逮捕したかけ子2人。岡山沙樹容疑者(31)と南沢光輝容疑者(38)だ。2人は警察官などになりすまし、当時40代の女性から暗号資産8100万円相当をだまし取ったとみられている。女性にかかってきた電話の主は大阪府警を名乗った。巨額詐欺で6000億円の被害が出ており、資金洗浄に使われた400人の口座の中にあなたのカードがある、逮捕寸前だ、潔白を証明しろ。スケールの大きな数字で相手を圧倒し、“潔白の証明”へ追い込む。まさに台本どおりのニセ警察だ。拠点は日本から4000キロ以上離れた場所。2人が関わったとみられる被害は、分かっているだけで計2億4000万円にのぼる。警視庁によると、拠点の指示役は中国人とみられるという。
3. 後志1630万、釧路1153万と500万、十勝930万 北海道で1日に4件の大口被害
北海道では、大口の詐欺被害が立て続けに明らかになった。後志管内の80代男性は、SNSを通じて投資に誘われ、現金1630万円をだまし取られた。岩内署がSNS型投資詐欺とみて調べている。釧路市では24日、2人の男性が相次いで釧路署に被害を届け出た。30代は“大分県警の警察官”を名乗る男らに1153万円の現金を奪われた。60代の男性は、警察官や検察官を名乗る男らに現金500万円。十勝管内の70代女性は同じ24日、警察官などを名乗る人物に暗号資産計930万円相当をだまし取られたと帯広署に届けた。4件を合わせると4200万円を超える。年代は30代から80代まで。“警察官”を名乗る電話は、高齢者だけを狙っているわけではない。
4. TikTokで知り合った“日本人女性” 津幡の60代男性、暗号資産と現金で1500万円
石川県津幡町の60代男性がだまし取られたのは、時価約100万円相当の暗号資産と現金約1400万円。入口は動画投稿アプリのTikTokだった。7月5日、日本人女性を名乗る人物と知り合い、SNSでやり取りを続けるうちに好意を抱いた。やがて持ちかけられたのが投資の話。男性は7月31日、指定されたアドレスへ暗号資産を送った。8月12日から31日にかけては、3回に分けて1回あたり約360万から590万円の現金を指定口座に送金した。おかしいと気づいたのは、女性から金を受け取ろうとしたとき。返ってきたのは、さらなる送金の要求だった。男性は9月7日に署へ相談した。恋愛感情で心を開かせ、投資で金を吸い上げる。ロマンス詐欺の典型的な流れだ。
5. 「1日1%の利息」マッチングアプリから始まった1週間 吉野ケ里の50代が約1000万円
佐賀県吉野ケ里町の50代男性が、約1千万円をだまし取られた。9月上旬、マッチングアプリで知り合った女性を装う人物から、別のSNSへ誘われた。メッセージを重ねて好意を抱いたところで、投資の話が出てくる。暗号資産を銀行に預けて運用しないか。今は普及期だから1日で1%の利息がつく。男性は9月8日から14日までのわずか1週間で、指定された口座に計約1千万円を振り込んだ。発覚のきっかけは金融機関からの情報提供。警察が男性に確認して、被害が分かった。出会いから誘導、恋愛感情、そして“うまい運用話”。1日1%なら1年で元本は何十倍にもなる計算だ。そんな商品が、出会ったばかりの相手から回ってくるはずがない。
6. 唐津342万、鹿島署管内265万、山口281万 SNSから始まった西日本の3件
SNSを入口にした被害が、西日本で続けて発表された。佐賀県唐津市の60代女性は、8月下旬にSNSで知り合った人物から別のSNSへ誘導され、金の投資でもうかっている、1回の取引で元本の20%ほどの利益が出る、などと勧められた。だまし取られたのは約342万円。同じ佐賀の鹿島署管内では、60代男性が約265万円の被害。8月23日、SNSで動画を見ていたところに、デートしたいかというメッセージが届いたのが始まりで、警察は交際あっせん詐欺としている。山口市の50代の団体職員女性は、SNSで知り合った相手に親近感を抱かされ、現金181万円と100万円相当の暗号資産を失った。見出しには「2人のため」の言葉。手口は違っても、入口は同じSNSだ。
7. 「あべちか」で奪われた600万円、元は詐欺の金か ベトナム国籍の21歳を詐欺罪で起訴
大阪市天王寺区の地下街「あべちか」で、女性が刃物で刺され、600万円入りのバッグを奪われた事件。この事件では、ベトナム国籍の男女4人が強盗殺人未遂容疑で捕まっている。その一人、レ・ティ・カン・リン被告(21)について、大阪地検は強盗殺人未遂の疑いでは不起訴とし、詐欺の罪で起訴した。検察によると、女性が奪われた金は、事件の前に起きた詐欺事件でだまし取られたもの。レ被告が保証金の名目でだまし取ったとしている。つまり、強盗の現場で動いていた現金は、別の誰かがだまされて差し出した金だったことになる。検察はレ被告の認否を明らかにしていない。詐欺と強盗が、一つの現金の上でつながっていた。
8. 静岡、速報値で50億円突破 過去最悪の去年より3週間以上早く
静岡県警が今年認知した特殊詐欺の被害額が、25日までに速報値で50億円を超えた。過去最悪だった去年より、3週間以上早いペースだ。23日時点の被害件数は580件で、前年同期より74件多い。手口は年々巧妙になり、被害は高齢者を中心に幅広い世代へ広がっているという。静岡県内では前日、社長を装うメールでわずか2時間に5390万円が振り込まれたビジネスメール詐欺も報じられたばかり。8月末で44億円超とされていた数字は、1か月もたたずに50億円の大台を越えた。“過去最悪”という言葉が、毎月のように更新されていく。
9. 画面が固まり、表示された番号へ 仙北の60代、7回の電子マネーで140万円
秋田県仙北市の60代男性が25日、パソコンの修理費の名目で、電子マネー140万円分をだまし取られた。自宅でインターネットのサイトを見ていたところ、画面が動かなくなった。画面には問い合わせ先の電話番号。かけてみると、片言の日本語を話す男が出た。指示されたのは、パソコンを遠隔操作するプログラムのインストール。言われたとおりに入れると、今度は修理費を電子マネーで払えと要求された。男性は市内のコンビニで7回にわたって電子マネーを買い、利用番号を相手に伝えた。気づいたのはコンビニだった。店からの情報提供で警察が事情を聴き、被害が分かった。警告画面から電話、遠隔操作、そして電子マネー。いわゆるサポート詐欺の定番コースだ。
10. 桑名550万、東海882万、七宗800万、下松100万 各地で続く被害
この日は、ほかにも各地で被害の発表が続いた。三重県桑名市では、20代の男性が現金計550万円をだまし取られ、桑名署が特殊詐欺事件として捜査している。茨城県東海村では、警察官を名乗る特殊詐欺で男性が882万円の被害。岐阜県七宗町では80代が特殊詐欺で800万円を失った。山口県下松市では80代が、息子を装う手口で、息子の上司を名乗って現れた男に現金100万円を渡した。被害者の年代は20代から80代まで。名乗る相手は警察官、息子、その上司。報じられた事実は多くないが、どの被害も1本の電話や1通のメッセージから始まっている。
11. 「地理的な守りが効かない」秋田県警本部長が語った危機
広い県土、分散した人口、冬の雪。秋田は、県外から入り込む犯罪にとってコストもリスクも高い土地だった。その“地理の守り”を崩しているのが特殊詐欺だと、8月に着任した秋田県警本部長が読売新聞の取材に語った。県内の昨年の被害額は約13億円で、2年連続の過去最悪。電話やSNSで顔を合わせずに犯行を重ねる手口の前では、距離が防壁にならない。県警は、サイバー分野の専門人材と機材を集める組織再編のため、条例改正案を県議会に出している。本部長自身も、国際電話を遮断できる警察庁推奨アプリを使っているという。地元の警察には内緒に、と言われたら、迷わず近くの警察署へ。それが本部長の呼びかけだ。
12. ATMを操作しながらの通話を禁止へ 坂出市が条例づくり
香川県坂出市が、携帯電話で話しながらATMを操作することを禁じる条例の制定を進めている。狙いは特殊詐欺の被害を防ぐこと。電話でATMへ誘い出し、通話をつないだまま画面の操作を指示して、自分の口座から金を送らせる。還付金詐欺などで繰り返し使われてきたやり口だ。市は、詐欺の被害が幅広い年代に広がっていることを踏まえて、条例化に踏み切るという。ATMの前で電話をしながらボタンを押している人がいたら、それだけで危険信号。
13. 「替え刃が本体に合わない」ウソの返品でカネ 指名手配の40歳を逮捕
山形県酒田市のホームセンターで今年7月、カミソリの替え刃を買ったが本体に合わない、とウソを言い、返品の名目で金をだまし取ったとして、指名手配されていた40歳の男が24日に逮捕された。2、3か月前に替え刃を買ったと話していたという。電話もSNSも使わない、店の窓口での返金詐欺。額は大きくなくとも、売り場の信用を逆手に取る手口だ。警察は男の詳しい経緯を調べている。
断言する。“確認”のために財産を差し出させる警察は、この世に存在しない
奈良の金塊、北海道の4件、カンボジアからの電話。この日の大口被害の多くに共通したのは、警察官や検察官を名乗る相手が“資金の調査”“潔白の証明”を口実に財産を差し出させたことだ。金塊を玄関前に置かせる。スマホを送りつけてアプリを操作させる。暗号資産に換えさせる。形は違っても、本物の捜査機関なら絶対にやらないことばかりだ。一方で、奈良では販売店、吉野ケ里では金融機関、仙北ではコンビニが異変に気づき、被害の拡大や発覚につながった。周りの目は確かに効いている。だからこそ本人も、電話を切って近くの警察署に自分でかけ直す。その一本で、奴らの台本は終わる。