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番外編投資詐欺サギ速編集部

【番外編】20万円が200万円になった瞬間、取引は「キャンセル」になった バイナリーオプション「ASTRO(アストロ)」、規約には利益を無効にできると書いてある

20万円を入れて取引し、残高は200万円近くまで増えた。だが出金はされず、取引はキャンセル扱いにされた——編集部にそんなタレコミが届いた。調べると、規約に「利益を無効にできる」と書いてあった。

サギ速の判定
詐欺の疑い濃厚
調査対象
ASTRO(アストロ)(astro.space/ja)
公的な情報
金融庁 無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(ASTROが「公式チーム」とするハイローの運営会社を掲載)
タレコミ受付
2026/10/16

タレコミの中身

福岡県の30代の男性から、バイナリーオプション「ASTRO(アストロ)」についての情報が届いた。20万円を入金して取引を重ね、残高は200万円近くまで増えたという。

ところが出金はされなかった。勝った取引は「キャンセル」の扱いにされ、利益が消えた。一方で、負けた分はそのまま引かれたという。

入金の振込先として案内されたのは、次の2つの法人名義の口座だった。途中で変わったという。PayPay銀行 ビジネス営業部 1524911 ブリオンボックス株式会社/GMOあおぞらネット銀行 オレガノ支店 6080783 KYURA-ビルペイ株式会社。

編集部が調べたこと

「ハイロー公式チームが作った」と名乗っている

ASTROのサイトは、トップページでこう書いている。「トレーダーの皆様に人気のハイロー(HighLow)を手がけた公式チームが、新たに立ち上げた取引プラットフォームです」。そして「10年+ 運営実績」「99.99% 安定稼働」「8億+ 累計取引実績」という数字を並べる。日本語のサイトで、円建てで、銀行振込で入金させる。狙いは日本人だ。

そのハイローは、もう存在しない

ハイローの公式サイト(highlow.com)を開くと、たった2行が出る。「HighLow(HLMI Markets International Limited C51982)は営業を終了し、取引サービスの提供を行っておりません」。終わった会社だ。ASTROが本当にその関係者なのか、確かめる相手はもういない。名乗るのは自由、という状態である。

その名前は、金融庁の警告リストに3回出てくる

奴らが背負ってみせたその看板を、金融庁は何度も名指ししている。無登録で金融商品取引業を行う者のリストに、Highlow Markets Pty. Ltd.(平成27年11月)、HLMI Ltd(令和元年10月)、HLMI Markets International Limited(令和5年9月)。理由はいずれも「インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの」。ASTROが誇らしげに掲げる看板の正体は、これだ。

「10年以上の実績」とドメインの登録日が合わない

astro.space というドメインが登録されたのは2025年6月21日。登録情報にそう記録されている。運営会社とされる Astralis LLC の会社番号は、規約によれば「4330 LLC 2025」。2025年のものだ。どこから10年が出てくるのか。ついでに言えば、この会社はセントビンセントおよびグレナディーン諸島の有限責任会社で、日本の金融商品取引業の登録番号はサイトのどこにも書かれていない。

そして規約に、こう書いてある

ASTROの利用規約は誰でも読める。そこにはこうある。利用者は「自分の口座に生じた、または得た利益が無効にされ、または取消しされる可能性があること、資金の引き出し要求が遅れる、もしくは拒否される可能性があること」に同意する。運営側が取れる措置として並ぶのは、口座の凍結、注文の取り消し、取引の無効化、過去の価格の調整、出金の保留、利益の保留、支払額の控除。しかもこの権限は「お客様の許可なく行使することができ」る。タレコミの男性に起きたことが、そのまま書いてある。

確認できたこと
  • ASTROの利用規約には、得た利益を無効・取り消しにでき、出金を保留でき、その権限を利用者の許可なく行使できると書かれている(根拠:ASTRO 利用規約)
  • ASTROが「公式チーム」と名乗るハイローは、HLMI Markets International Limited として営業を終了したと自社サイトで告知している(根拠:HighLow 公式サイトの告知)
  • そのHLMI Markets International Limitedを含むハイローの運営3社は、金融庁の無登録業者のリストに掲載されている(平成27年11月・令和元年10月・令和5年9月)(根拠:金融庁 無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について)
  • astro.space のドメイン登録は2025年6月21日で、サイトが掲げる「運営実績10年以上」とは合わない(根拠:ドメイン登録情報(RDAP))
確認できなかったこと
  • タレコミにある入金額・残高・キャンセルの経緯は、本人からの申告であり、編集部で裏付けは取れていない
  • 振込先として示された口座の名義になっている法人が、この件にどう関わっているかは確認できていない。口座が売買・貸与されている場合もあり、似た社名の無関係な会社と取り違えないでほしい
  • ASTROが本当にハイローの関係者によるものかどうかは、ハイロー側の発表がなく確認できない

相手側の言い分

サイトにもヘルプセンターにも、会社の住所・電話番号・メールアドレスの記載がなく、問い合わせ窓口は口座を開いた利用者向けのサポートに限られていた。詐欺が疑われるサイトに口座開設はしない方針のため、事実確認ができなかった

断言する。勝ったら取り消される場所は、投資ではない

負ければ全額持っていかれる。勝てば「キャンセル」で消える。この2つが同時に成り立つなら、利用者が利益を手にする道は最初から存在しない。しかも奴らは、それを規約に堂々と書いている。読まれない前提で書いてあるのだ。海外の無登録業者に円を振り込んだ時点で、日本の金融庁の監督は届かない。振込先が法人名義でも、途中で変わるなら、それは受け皿が使い捨てられているということだ。勝ったつもりの200万円は、画面の上の数字でしかなかった。 サギ速は、この業者を追い続ける。振込先は今後も変わっていくはずだ。変わったら、その口座もここに書く。新しい情報が入り次第、この記事に追記していく。

※番外編は、読者からの情報提供をもとに編集部が独自に調べた記事です。情報提供者の身元は公表しません。「確認できたこと」は公開時点で編集部が根拠を確かめた事実です。訂正・削除のご依頼はお問い合わせフォームから受け付けています。
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ASTRO(アストロ)、またはよく似たサイトで「出金できない」「税金や保証金を求められた」「個人名義の口座に振り込まされた」という方、勧誘を受けた方の情報をお寄せください。編集部が調べます。提供者の身元は公表しません。

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