【番外編】「凍結解除に証拠金を」――90万円の利益が消えた仮想通貨サイトfinxova、詐欺確定
仮想通貨サイト「finxova」で利益を現金化しようとした途端に口座が凍結され、解除に証拠金を求められた。出金に先払いを求める正規の業者はない。編集部の判定は詐欺確定だ。
- サギ速の判定
- 詐欺確定
- 調査対象
- finxova(finxova.com)(www.finxova.com)
- 公的な情報
- 公的機関の警告・処分・逮捕報道は確認できず
発端
「これは詐欺でしょうか?」――2026年9月11日の早朝、Yahoo!知恵袋に1通のSOSが投稿された。人に勧められた仮想通貨のサイトで、100倍のレートで取引ができ、数万円の元手が約90万円まで膨らんだ。ところが現金化しようとした途端に口座が凍結され、「凍結解除に証拠金を振り込んでください」というメールが届いた。書き込みに記されていたサイトのアドレスは finxova.com。
この1通を発端に、編集部はサイトの素性を洗った。
編集部が調べたこと
ドメインは生後3か月
ドメインの登録情報を引いた。finxova.com が取られたのは2026年6月15日。登録業者は米国の NameSilo で、有効期限は1年後の2027年6月15日だ。相談が投稿された9月11日の時点で、サイトはできてから3か月もたっていない。何年も客の資産を預かってきた取引所の姿ではない。
金融庁の登録はない
日本で暗号資産の売買や交換を仕事として行うには、金融庁への登録が要る。その登録業者の一覧に finxova の名前はない。名前の似た登録業者はあるが、別の会社だ。無登録業者への警告の一覧にも、まだ名前は載っていない。警告が出ていないのは、見つかるのが追いついていないだけで、安全の証明にはならない。
日本語の画面の裏に中国語
サイトは日本語で「マーケット」「ログイン」と表示される。だがログイン画面の裏側のコードには「安全便捷的 U 本位合约交易」という中国語の書き込みが残っていた。USDT建ての先物取引を安全・便利に、という意味だ。見た目を整える設定ファイルの冒頭にも「H5 合约站」、スマホ向けの先物取引サイトを指す中国語がある。運営会社の名前、所在地、利用規約は、どこにも見当たらない。ページを開こうとしても、すべてログイン画面に戻される。
「凍結解除に証拠金」は奴らの決まり文句
画面の上で利益を膨らませ、引き出そうとした瞬間に凍結。解除したければ金を入れろ。これが奴らの台本だ。正規の取引所は、出金の条件として先に金を払わせることはない。払えば出金できるようになるのではない。取られる額が増えるだけだ。相談者は振り込まないと決めたという。それが正解だ。
- 利益を現金化しようとしたところ口座が凍結され、凍結解除のために証拠金の振り込みを求められたという相談が、2026年9月11日に投稿されている。相談に書かれたサイトは finxova.com(根拠:Yahoo!知恵袋(2026年9月11日の質問))
- finxova.com のドメインは2026年6月15日に登録された。登録業者は NameSilo、有効期限は2027年6月15日(根拠:Verisign RDAP(.com ドメインの登録情報))
- 金融庁の暗号資産交換業者登録一覧に finxova の名前はない(2026年9月29日確認)(根拠:金融庁 暗号資産交換業者登録一覧)
- 金融庁の無登録業者への警告の一覧(HTML版)には、まだ名前が載っていない(2026年9月29日確認)(根拠:金融庁 無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(HTML版))
- 運営会社の名前と所在地(サイト上に表示がない)
- 誰が、どういう経路でこのサイトを勧めたのか
- 相談者のほかに被害に遭った人の数と金額
相手側の言い分
サイトには運営会社名や連絡先の表示がなく、問い合わせの窓口は会員登録してログインしないと使えない。詐欺と判定したサイトに登録して情報を渡すことはしないため、問い合わせはしていない。
断言する。「凍結解除に証拠金」と言われたら、その金はもう戻らない。
出金しようとしたら凍結、解除には証拠金、保証金、税金。名目は何でもいい。共通しているのは「先に払え」という一点だ。正規の業者は、出金の申請があれば出金する。先払いを求めてくる時点で、画面に並んだ利益の数字はただの数字だと思っていい。追加で払った金も同じ穴に消える。それ以上、一円も入れてはいけない。
finxova(finxova.com)、またはよく似たサイトで「出金できない」「税金や保証金を求められた」「個人名義の口座に振り込まされた」という方、勧誘を受けた方の情報をお寄せください。編集部が調べます。提供者の身元は公表しません。
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